
About
肝臓研究室について
肝臓研究室では、急性肝障害、慢性肝疾患、肝硬変、門脈圧亢進症、消化管静脈瘤、肝細胞癌に至るまで、肝疾患全般にわたる幅広い病態を対象に、最先端の知見と技術に基づいた高度で包括的な診療を行っています。患者さん一人ひとりの生活背景や社会的側面にも配慮した「患者中心の医療」を理念とし、丁寧で信頼に基づく診療を実践しています。
当研究室では、肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術 (RFA) やマイクロ波焼灼療法(MWA) を2,500件以上行っており、国内でも有数の治療実績を有し、肝癌診療の質的向上に寄与しています。近年は、免疫チェックポイント阻害薬などの登場により、 免疫複合療法にも力を入れています。また、肝硬変合併症の治療に加え、門脈圧亢進症や消化管静脈瘤に対しても、EISやEVLの内視鏡治療、放射線科と連携したB-RTOなどの先進的治療を多職種連携のもとで提供しています。

実践的な教育
教育面では、腹部超音波シミュレーターを活用したハンズオン形式のトレーニングを導入し、初学者から上級者まで実践的な教育を行っています。早期から超音波検査、内視鏡診療、超音波ガイド下治療などに携わることで、実地での技術習得と専門医としての成長を支援しています。さらに、多数の関連医療機関との連携により、幅広い臨床経験を積むことができ、柔軟な対応力と広い視野を備えた医師の育成を目指しています。
臨床に直結する研究
研究面においても、脂肪性肝疾患モデルマウスや次世代シーケンサーを用いた腸肝相関の病態解明、抗線維化治療、肝癌再発因子の解析、門脈血栓症の治療効果予測など、臨床に直結した多角的なトランスレーショナルリサーチを推進しています。
私たちは、診療・教育・研究のすべてにおいて常に進化と挑戦を続け、肝疾患領域の医療の質の向上に貢献しています。
Staff
スタッフ紹介
准教授
横山 圭二
講師
田中 崇
講師
高田 和英
助教
内田 洋太郎
助教
宮山 隆志
助手
柴田 久美子
助手
永田 貴大
助手
徳重 裕陽
研究生
福田 洋美
福岡大学西新病院
入江 真
福岡赤十字病院
岩下 英之
福岡赤十字病院
福田 祥
福岡赤十字病院
姫野 修一
白十字病院
福永 篤志
Case Numbers
年間検査件数・治療症例数

- 腹部超音波検査:約3,500件
- 静脈瘤関連内視鏡検査:約500件
- ラジオ波 + マイクロ波焼灼術:累計2,517件

肝細胞癌治療の内訳 2024年度

静脈瘤治療件数の推移
(2024年1月~9月 38件)

ラジオ波 + マイクロ波焼灼術の推移
(2022年1月~9月 44件)
Initiatives
取り組み

体成分分析装置InBody970

2024年4月より病棟に導入されました。低~高周波の交流電流を用いて生体インピーダンスを測定し、体内成分を定量評価します。体水分、タンパク質、ミネラル、体脂肪などの体成分に加え、筋肉量、体脂肪率、細胞外水分比 (ECW/TBW)、骨格筋指数 (SMI) が算出可能。ECW/TBWは浮腫や腹水の指標、SMIはサルコペニアの評価に用いられ、臨床現場での栄養・浮腫評価に有用です。

次世代シーケンサー(NGS) iSeq™ 100システム(Illumina社製)

NGSの中でもコンパクトかつ高精度なモデルで、臨床や研究現場における迅速な遺伝子解析を可能にします。カートリッジ式の簡便な操作と最適化されたフローセルにより、最短1日で解析が完了します。微量DNA/RNAからのターゲット解析や微生物検出、小規模なゲノム解析などに適しており、省スペースながら高精度なシーケンス技術を活かした信頼性の高いデータが得られます。
カンファレンス(肝臓内科カンファ、内科・外科・放射線科合同カンファ)


内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)


ラジオ波焼灼術(RFA)


腹部超音波シミュレーターによるトレーニング

